○豊田市まちづくり基本条例
平成17年9月30日
条例第92号
目次
前文
第1章 総則(第1条~第3条)
第2章 まちづくりの基本的な原則(第4条~第7条)
第3章 自治を担う主体
第1節 市民(第8条・第9条)
第2節 議会(第10条・第11条)
第3節 執行機関(第12条・第13条)
第4章 参画と共働(第14条~第18条)
第5章 市政経営の基本事項(第19条~第28条)
附則
わたくしたちのまち豊田市は、これまで培ってきたかけがえのない多様な地域性を生かし合いながら、都市と農山村とが共生するまちづくりを進めています。このまちで、わたくしたちは、豊田市民の誓いをみちしるべとしながら、共に学び、共に働き、安心して豊かに暮らしたいと願っています。
これからも、子どもから高齢者までのだれもがまちづくりの担い手となって、共働によるまちづくりを推進し、自立した地域社会の実現を目指すことを自治の基本理念におき、ここに豊田市まちづくり基本条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、前文に掲げた自治の基本理念にのっとり、本市のまちづくりの基本的な原則を確認し、市民の権利及び責務並びに議会及び執行機関の責務を明らかにするとともに、参画と共働及び市政経営の基本事項を定めることにより、市民による自治の確立を図り、もって自立した地域社会の実現を図ることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において「市民」とは、市内に居住し、通勤し、又は通学する個人及び市内において事業若しくは活動を行う個人又は法人その他の団体をいいます。
2 この条例において「執行機関」とは、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会及び固定資産評価審査委員会をいいます。
第2章 まちづくりの基本的な原則
(市政への参画)
第4条 執行機関は、政策等の立案、実施又は評価のそれぞれの過程において、市民の参画を図らなければなりません。
(共働によるまちづくり)
第5条 市民及び市は、共通の目的を実現するために、互いの立場を尊重し、対等な関係に立って、共にまちづくりを推進することに努めるものとします。
(情報の共有)
第6条 市は、市が保有する情報について、市民との共有に努めなければなりません。
(説明責任)
第7条 執行機関は、政策等の立案、実施又は評価のそれぞれの過程において、市民に分かりやすく説明しなければなりません。
第3章 自治を担う主体
第1節 市民
(市民の権利)
第8条 市民は、まちづくりの担い手として次に掲げることができます。
(1) 市政に参画すること。
(2) 市政に関する情報を知ること。
2 市民は、行政サービスを受けることができます。
(市民の責務)
第9条 市民は、公共の利益及び地域社会の発展に寄与するよう努めるものとします。
2 市民は、市民の活動を互いに尊重し、自らの発言と行動に責任を持つものとします。
3 市民は、行政サービスに伴う負担を分任するものとします。
4 市内において事業を行う者は、居住環境に配慮し、地域社会との調和を図り、安心して住めるまちづくりに寄与するよう努めるものとします。
第2節 議会
(議会の責務)
第10条 議会は、直接選挙により選ばれた代表者である議員によって構成される意思決定機関であることから、市民の意思が市政に反映されるよう努めます。
2 議会は、市政経営が適正に行われるよう調査し、監視機能、政策立案機能等を果たします。
(議員の責務)
第11条 議員は、自らの役割と責務を認識し、公正かつ誠実に職務を遂行します。
第3節 執行機関
(市長等の責務)
第12条 市長は、市の代表者として、市民の信託にこたえ、公正かつ誠実に市政を経営します。
2 執行機関は、自らの判断と責任において市の事務を誠実に執行するとともに、市政の課題に的確にこたえることができる知識と能力を持った職員の育成を図ります。
(職員の責務)
第13条 職員は、市民全体のために働く者として、公正かつ誠実に職務を遂行します。
2 職員は、職務に必要な専門的知識の習得及び能力向上に努めます。
3 職員は、自らも地域の一員であることを自覚し、市民としての責務を果たすとともに、共働によるまちづくりの推進に配慮して職務を遂行するものとします。
第4章 参画と共働
2 執行機関は、市の基本的な政策等の策定に当たっては、事前に案を公表して、市民の意見を募り、それらの意見を考慮して意思決定します。
3 執行機関は、附属機関等の委員への市民の参画を推進します。
(住民投票)
第15条 市長は、市政に係る重要な事項について、広く住民の意思を確認するため、条例で定めるところにより、住民投票を実施することができます。
2 前項の条例は、それぞれの事案に応じ、住民投票に付すべき事項、投票の手続、投票資格要件その他住民投票の実施に必要な事項を定めるものとします。
3 議会及び市長は、前2項の定めにより住民投票を実施した場合は、その結果を尊重します。
(共働の推進)
第16条 市は、市民の自主的な活動を尊重するとともに、共働によるまちづくりを推進するために必要な施策を講じます。
(都市内分権の推進)
第17条 市は、市民による自治を拡充し、共働によるまちづくりを推進するため、地域の住民の意思を市政に反映するとともに、地域のことは地域の住民が自ら考え実行するための施策を講じます。
(地域自治区の設置)
第18条 市は、都市内分権を推進するため、別に条例で定めるところにより、市長の権限に属する事務の一部を担い地域の住民の意見を反映させつつこれを処理する地域自治区を設置します。
第5章 市政経営の基本事項
(情報の取扱い)
第19条 市は、市政に関する情報を積極的に市民に提供するよう努めます。
2 市は、市民の知る権利を尊重し、公正で透明な市政を実現するため、別に条例で定めるところにより、市の保有する情報を開示し、市民との情報の共有を図ります。
3 市は、市民の権利利益を保護するため、別に条例で定めるところにより、市の保有する個人情報を適正に取り扱います。
(行政評価)
第20条 執行機関は、施策、事業等の成果を市民に明らかにし、効果的かつ効率的な市政経営を行うため、行政評価を実施し、その結果を公表します。
(財政運営)
第21条 市長は、財源を効果的かつ効率的に活用し、自主的かつ自律的な財政運営を行うことにより、財政の健全性の確保に努めます。
2 市長は、別に条例で定めるところにより、財政に関する状況を分かりやすく公表します。
(市民の要望の取扱い)
第22条 執行機関は、市民の市政に関する要望等に迅速かつ誠実に応答するよう努めます。
(総合的な市政経営)
第23条 市は、長期的な展望に立った総合計画を策定し、総合的かつ計画的な市政経営を行います。
2 執行機関は、市民の意向の把握に努めるとともに、互いに連携を図り、総合的な行政サービスを提供します。
3 執行機関は、地域の諸資源を最大限に活用して、最少の経費で最大の効果を挙げるよう市政経営を行います。
(執行機関の組織)
第24条 執行機関の組織については、効率的かつ機動的なものとなるよう常に見直しに努めます。
(行政手続)
第25条 執行機関は、市政経営における公正の確保と透明性の向上を図り、市民の権利利益の保護に資するため、別に条例で定めるところにより、行政手続を適正に行います。
(条例の制定及び法令の活用)
第26条 市は、政策等を推進するため、必要な条例、規則等を制定するとともに、執行機関は、法令の解釈及び運用に当たっては、この条例の趣旨にのっとり、市民の福祉の増進を目的に行うよう努めます。
(法令の遵守)
第27条 執行機関は、公正かつ民主的な市政経営を実現するため、別に条例で定めるところにより、法令遵守体制を構築します。
(国及び他の地方公共団体との連携及び協力)
第28条 市は、共通する課題を解決するため、国、愛知県及び関係地方公共団体と互いに連携を図りながら協力するよう努めます。
附則
この条例は、平成17年10月1日から施行する。