○豊田市法令遵守推進条例

平成17年3月29日

条例第3号

目次

第1章 総則(第1条~第7条)

第2章 法令遵守体制

第1節 不当要求行為等対策リーダー(第8条)

第2節 不当要求行為等対策委員会(第9条)

第3節 不当要求行為等審査会(第10条~第13条)

第3章 不当要求行為等に係る通知等(第14条・第15条)

第4章 不当要求行為等に対する措置等(第16条・第17条)

第5章 雑則(第18条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであり、職員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないことを深く認識し、職員が職務を遂行するに当たっての法令遵守体制に関し必要な事項を定めるとともに、公正な職務の遂行を確保するために必要な措置を講ずることにより、公務に対する市民の信頼を確保し、もって市民と共に公正かつ民主的な市政の運営を実現することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「職員」とは、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員並びに同条第3項に規定する特別職に属する職員のうち市長、副市長及び地方公営企業の管理者をいう。

2 この条例において「市長等特別職」とは、法第3条第3項に規定する特別職に属する職員のうち、市長、副市長及び地方公営企業の管理者をいう。

3 この条例において「任命権者」とは、法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

4 この条例において「不当要求行為等」とは、違法又は公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為及び暴力行為等社会通念上、相当と認められる範囲を逸脱した手段により要求の実現を図る行為をいう。

5 この条例において「公正な職務の遂行を損なうおそれのある行為」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 市が行う許認可その他の行政処分又は請負その他の契約に関し、正当な理由なく、特定の法人その他の団体又は個人のために有利な取扱いをするよう要求する行為

(2) 入札の公正を害する行為又は公正な契約事務の遂行を妨げる行為

(3) 本市の競争入札の参加資格を有する特定の事業者に関し、その経済的な面における社会的評価を不当に高め、若しくは失わせる行為又はその業務を不当に妨害するおそれのある行為

(4) 人事(職員の採用、昇任、降任、転任等をいう。)の公正を害する行為

(5) 市が行おうとしている不利益処分に関し、正当な理由なく、当該不利益処分の被処分者となるべき法人その他の団体又は個人のために、当該不利益処分を行わないよう、又は処分内容を緩和するよう要求する行為

(6) 前各号に掲げるもののほか、正当な理由なく、法令又は法令に基づく要綱、内規等で定められた基準等の規定に違反する行為であって、当該行為により特定の法人その他の団体又は個人が有利な取扱いを受け、又は不利益な取扱いを受けるよう要求する行為

6 この条例において「暴力行為等社会通念上、相当と認められる範囲を逸脱した手段」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 身体の一部や器具を使って、故意に職員を傷つけようとする等の暴力行為、職員が恐怖を感じ、反論し得ない状況に追い込む程度の脅迫行為又は職員が正常な業務が遂行できない程度のけん騒行為

(2) 職員が正常な状態で面談することが困難であると判断し、断ったにもかかわらず、強硬に脅迫的言動をもって面談を強要する行為

(3) 大声又は職員を倒する言動で、職員に対し聞くに堪えない程度の不快感を与える行為

(4) 正当な権利がないにもかかわらず権利があるとし、提供を受けた役務に瑕疵かしがないにもかかわらず瑕疵があるとし、若しくは交通事故その他の事故による損害がないにもかかわらず損害があるとして、又はこれらの瑕疵若しくは損害の程度を誇張して、損害賠償その他これに類する名目で金品、便宜等の供与を要求する行為

(5) 前各号に掲げるもののほか、庁舎等の施設の保全若しくは秩序の維持又は市の事務事業の適正な遂行に支障を生じさせる行為

(基本的心構え)

第3条 職員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではないことを深く自覚し、市民から信頼される職員となるよう不断に公務員としての資質の向上に努めるとともに、常に公共の利益のために職務を遂行しなければならない。

2 職員は、職務の遂行に当たっては、市政が市民の信託によるものであることを認識し、法令遵守の姿勢のもと、市民に対して業務についての十分な説明を行い、理解を得るよう努めなければならない。

3 職員は、提供することにより、公正な職務の遂行を損なうおそれのある情報又は公正な市政の運営に不当に影響を及ぼすおそれのある情報を除き、市民に対して積極的に情報を提供しなければならない。

(職員の責務)

第4条 職員は、職務の遂行に当たっては、市民に対し、常に業務内容の説明ができるよう整理しておかなければならない。

2 職員は、不当要求行為等に対しては、これを拒否しなければならない。

3 職員(市長を除く。次項において同じ。)は、不当要求行為等があった場合は、直ちに規則で定める上司及び所属長に報告しなければならない。

4 職員は、不当要求行為等があった場合は、遅滞なく、規則で定めるところにより、これを記録し、上司及び所属長の決定を受けなければならない。

(管理監督者の責務)

第5条 管理監督の立場にある者(以下「管理監督者」という。)は、その職務の重要性を自覚し、部下職員の公正な職務の遂行の確保に努め、その行動について適切に指導監督しなければならない。

2 管理監督者は、部下職員から前条第3項の規定による報告を受けたときは、適法かつ公正な職務の遂行を確保するために必要な措置を講ずるとともに、当該報告内容が不当要求行為等に該当すると認められる場合は、遅滞なく、規則で定めるところにより、豊田市不当要求行為等対策委員会に通知しなければならない。

3 管理監督者は、不当要求行為等に関する記録を整理し、適切に保管するとともに、異動に際しては、これを後任者に確実に引き継がなければならない。

(任命権者の責務)

第6条 任命権者は、行政施策の説明及び公正な職務の遂行の確保並びに法令遵守体制の確立に資するよう、職員研修を実施し、本市に関係する事業者等への指導啓発を行い、職員の遵守すべき事項を定めるとともに、庁内体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。

(市民等の責務)

第7条 市民は、自らが地方公共団体を構成する一員であることを深く自覚し、常に市政の運営に関心を払うことによって、公正かつ適正な手続による行政運営の確保に積極的な役割を果たすよう努めなければならない。

2 何人も、職員(法第3条第3項に規定する特別職の職員(議会の議員を除く。第11条第1項及び第2項において同じ。)を含む。)に対して、不当要求行為等をしてはならない。

第2章 法令遵守体制

第1節 不当要求行為等対策リーダー

(不当要求行為等対策リーダー)

第8条 市における不当要求行為等を防止するとともに、適切な対策その他必要な措置を日常的に講ずるため、不当要求行為等対策リーダー(以下「対策リーダー」という。)を置く。

2 対策リーダーに関し必要な事項は、規則で定める。

第2節 不当要求行為等対策委員会

(不当要求行為等対策委員会)

第9条 市における不当要求行為等を防止するとともに、市として統一的な対応方針等を定めることにより、市民及び職員の安全と公務の適正かつ円滑な執行を確保するため、豊田市不当要求行為等対策委員会(以下「対策委員会」という。)を置く。

2 対策委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第3節 不当要求行為等審査会

(不当要求行為等審査会)

第10条 市における法令遵守体制の確立を図り、公正な職務の遂行を確保するため、豊田市不当要求行為等審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、委員5人以内をもって組織する。

3 委員は、法令若しくは法令遵守体制又は行政対象暴力対策に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、再任されることができる。

6 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

7 委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(審査会の任務)

第11条 審査会は、対策委員会又は職員から通知があった場合において、当該通知の内容が不当要求行為等に該当すると疑うに足りる相当の理由があり、かつ、市における法令遵守及び公正な職務の遂行の確保のために必要があると認めるときは、遅滞なく、規則で定めるところにより、必要な調査を行うものとする。不当要求行為等を受けたと認められる特別職の職員(市長等特別職を除く。次項において同じ。)から必要な調査の依頼を受けた場合も同様とする。

2 審査会は、前項の規定による調査の結果を、規則で定めるところにより、審査会に通知を行った対策委員会又は職員若しくは同項の規定により調査を依頼した特別職の職員、関係のある任命権者(市長を除く。)及び市長に報告しなければならない。

3 審査会は、前項の規定により調査結果の報告を行う場合には、第16条の規定に基づき市長又は地方公営企業の管理者(以下「市長等」という。)が行う措置について、意見を述べることができる。

4 審査会は、前3項に定めるもののほか、次に掲げる事項を担任する。

(1) 市長の諮問に応じ、法令遵守体制の整備に関し、調査、研究するとともに、必要に応じ任命権者に意見を述べること。

(2) この条例及びこの条例に基づく規則の遵守の徹底を図ること。

(調査審議手続の非公開)

第12条 審査会の行う調査審議の手続は、公開しない。

(委任)

第13条 前3条に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第3章 不当要求行為等に係る通知等

(審査会への通知等)

第14条 職員(市長を除く。)は、不当要求行為等が当該職員以外の職員からあった場合、及び職員(市長を除く。)第4条第3項の規定により不当要求行為等があった旨の報告をした日から相当の期間が経過しても、市において正当な理由なく何らの措置も講じない場合は、規則で定めるところにより審査会に通知することができる。

2 市長は、不当要求行為等があった場合において、必要があると認めるときは、審査会に通知することができる。

3 前2項の規定による審査会への通知は、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的で行ってはならず、常に公共の利益のために行わなければならない。

4 職員は、審査会への通知をするに当たっては、確実な資料に基づき誠実に行うよう努めなければならない。

5 審査会への通知は、公開しない。

6 第2項から前項までの規定は、第11条第1項後段の規定による特別職の職員から審査会への調査の依頼について準用する。

(通知を行った職員に対する不利益取扱いの禁止)

第15条 職員(市長を除く。)は、前条第1項の規定により通知を行ったことを理由として、人事、給与その他職員の身分及び勤務条件に関していかなる不利益な取扱い(事実行為を含む。)も受けない。

第4章 不当要求行為等に対する措置等

(不当要求行為等の行為者への警告等)

第16条 市長は、第11条第2項の規定による審査会の報告を受けたときは、当該報告に基づいて、不当要求行為等の行為者(法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、不当要求行為等をしたときは、行為者のほか、その法人又は人を含む。第4項において同じ。)に対して文書で警告を行うものとする。

2 前項の警告を行う場合において、市長は、市民への公表その他必要な措置を講ずることができる。

3 市長等は、本市の競争入札の参加資格を有する事業者に対して第1項の警告を行った場合は、別に定めるところにより当該事業者に対し、入札参加停止その他必要な措置を講ずることができる。

4 市長等が前3項の規定に基づき不当要求行為等の行為者へ警告等を行う場合は、第11条第3項に規定する審査会の意見を尊重しなければならない。

(職員の保護)

第17条 市長は、職員が不当要求行為等を拒否したことにより、当該不当要求行為等の行為者から違法又は不当な権利侵害を受けることがないよう必要な配慮をするとともに、当該職員の公正な職務の遂行を確保するため、違法又は不当な権利侵害を受けることとなった職員に対し、必要な援助、保護等の措置を講ずるものとする。

第5章 雑則

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成17年4月1日から施行する。ただし、第2章第3節第3章及び第4章(第16条に限る。)の規定は、同年7月1日から施行する。

(平成18年12月27日条例第84号)

(施行期日)

1 この条例は、平成19年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に在職する収入役が、その任期中に限り、なお従前の例により在職する場合においては、改正後の豊田市法令遵守推進条例第2条の規定は適用せず、改正前の豊田市法令遵守推進条例第2条の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同条中「助役」とあるのは、「副市長」とする。

(平成22年6月30日条例第45号)

この条例は、公布の日から施行する。

豊田市法令遵守推進条例

平成17年3月29日 条例第3号

(平成22年6月30日施行)

体系情報
第4編 事/第4章
沿革情報
平成17年3月29日 条例第3号
平成18年12月27日 条例第84号
平成22年6月30日 条例第45号