○豊田市議会基本条例

平成21年5月18日

条例第36号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第3条)

第2章 議員の責務及び活動原則(第4条・第5条)

第3章 議会運営の原則等(第6条・第7条)

第4章 議会と市長等の関係(第8条~第11条)

第5章 議会機能の強化(第12条~第14条)

第6章 市民と議会の関係(第15条~第18条)

第7章 議員の政治倫理(第19条)

第8章 議会局の設置及び機能の強化(第20条)

第9章 最高規範性(第21条)

第10章 補則(第22条)

附則

豊田市議会は、市民の直接選挙によって選ばれた議員で構成する市の最高の意思決定機関であり、豊田市まちづくり基本条例に規定する議会及び議員の責務に基づき、市民の負託にこたえる責務を有している。

また、議会は、二元代表制の下で、市長その他の執行機関との立場及び権能の違いを踏まえ、緊張ある関係を保ちながら、市政経営について調査、監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を行うことが求められている。

近年、国から地方への権限移譲が進み、地方自治体の自己決定権の拡大が進む中で、地域の自主・自律のため、これまで以上に地方議会が果たすべき役割及び責務が大きくなっている。

このため、議会は、特別委員会、議会運営委員会等における協議により、議会の活性化を図るためにさまざまな改革を重ねてきたところである。

議会は、今後も議会の活性化を積極的に推進し、市政に対する市民の意思の反映に全力を尽くすことを決意し、ここに、議会の基本理念、議員の責務及び活動原則、議会運営の原則、議会と市民及び市長その他の執行機関との関係等に関する基本的事項を明らかにし、議会の最高規範としてこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、議会の基本理念、議員の責務及び活動原則、議会運営の原則等の議会に関する基本的事項を定めることにより、市政への市民の意思の的確な反映及び議会の活性化を図り、もって市民にわかりやすい開かれた議会と市民福祉の向上を実現することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は、市政における最高の意思決定機関として、市民の意思を市政に反映させるため、公平かつ適正な議論を尽くし、真の地方自治の実現を目指すものとする。

(基本方針)

第3条 議会は、前条に定める基本理念にのっとり、次に掲げる方針に基づいた議会活動を行うものとする。

(1) 議会の本来の機能である政策決定並びに市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)の事務の執行の監視及び評価を行うこと。

(2) 提出された議案の審議又は審査を行うほか、独自の政策立案及び政策提言に積極的に取り組むこと。

(3) 議会活動を市民に対して説明する責務を有することにかんがみ、市民に対し市政に関する情報を積極的に公開するとともに、市民にわかりやすい開かれた議会運営を行うこと。

(4) 地方分権の進展に的確に対応するため、議会の活性化の取組を積極的に推進すること。

第2章 議員の責務及び活動原則

(議員の責務及び活動原則)

第4条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを認識し、積極的な議論に努めるものとする。

2 議員は、市政全般の課題及び市民の多様な意思を的確に把握し、市民の代表としてふさわしい活動を行うものとする。

3 議員は、日常の調査及び研修活動を通じて、自らの資質の向上に努めるものとする。

4 議員は、議会活動について、市民に対して説明する責務を有する。

(会派)

第5条 議員は、議会活動を行うため、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で会派を結成することができる。

2 会派は、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、会派間で合意形成に努めるものとする。

3 会派は、議会活動について、市民に対して説明するよう努めるものとする。

第3章 議会運営の原則等

(議会運営の原則)

第6条 議会は、市の基本的な政策決定、市長等の事務の執行の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言を行う機能が十分発揮できるよう、円滑かつ効率的な運営に努め、合議制の機関である議会の役割を果たさなければならない。

2 議会は、一問一答方式による質問の実施等、市民にわかりやすい運営を行うものとする。

3 議会運営委員会は、議会運営について協議し、調整するものとする。

4 常任委員会及び特別委員会は、それぞれの設置目的に応じた機能が十分発揮されるよう運営されなければならない。

5 議会運営委員会及び常任委員会は、議会の閉会中においても、各所管に属する市の事務に関する調査を積極的に行うよう努めるものとする。

(議会の説明責任)

第7条 議会は、議会運営、政策立案、政策決定、政策提言等に関し、市民に対して説明する責務を有する。

第4章 議会と市長等の関係

(市長等との関係)

第8条 議会は、二元代表制の下、市長等との立場及び権能の違いを踏まえ、市長等と常に緊張ある関係を構築し、事務の執行の監視及び評価を行うとともに、政策立案及び政策提言を通じて、市民福祉の向上及び市政の発展に取り組まなければならない。

(確認の機会の付与)

第9条 議長並びに議会運営委員会、常任委員会及び特別委員会の委員長は、会議等における審議又は審査の充実を図るため、会議等の論点等を明確にする必要があると認めるときは、市長等及びその職員に対し、議員及び委員の発言の主旨に対する確認の機会を付与することができる。

(政策等の形成過程の説明要求)

第10条 議会は、市長等が提案する基本的な政策等に対し、必要に応じてその形成過程の説明を求めるものとする。

(監視及び評価)

第11条 議会は、市長等の事務の執行が適正に、かつ、公平性及び効率性をもって行われているか監視し、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるよう促すものとする。

2 議会は、市長等の事務の執行の効果及び成果について評価し、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるよう促すものとする。

第5章 議会機能の強化

(議会機能の強化)

第12条 議会は、市長等の事務の執行の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言に関する議会の機能を強化するものとする。

(審査・調査活動等)

第13条 議会は、議会が持つ調査権に基づき、市政の課題に関し必要に応じて調査活動を行うものとする。

2 議会は、議案の審査又は市長等の事務に関する調査を行うため、学識経験を有する者等に対し、必要な専門的事項に関する調査を行わせることができる。

(政務活動費)

第14条 会派又は議員は、政策形成能力の向上等を図るため、政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究及び政策提言を行うものとする。

2 会派又は議員は、厳格な使途基準に従い、政務活動費を適正に執行し、常に市民に対して使途の説明責任を負うものとする。

3 政務活動費に関しては、別に条例で定めるところによる。

第6章 市民と議会の関係

(市民の議会活動への参画の確保)

第15条 議会は、市民の意思を議会活動に反映することができるよう、市民の議会活動に参画する機会の確保に努めるものとする。

2 議会は、市長等の事務の執行の監視及び評価並びに政策立案及び政策提言の過程において、広く議会外の意見を聴取する参考人、公聴会等の制度の活用に努めるものとする。

(広報広聴機能の充実)

第16条 議会は、多様な媒体を用いて、議会に対する市民の意思の把握及び市民への情報提供に努めるものとする。

(委員会等の公開)

第17条 議会は、開かれた議会運営に資するため、委員会等を原則として公開するものとする。

(議会活動に関する資料の公開)

第18条 議会は、豊田市情報公開条例(平成10年条例第34号)との整合を図りつつ、議会活動に関する資料を原則として公開し、会議録については、議会図書室その他議長が適当と認める場所に備え付け、閲覧に供するものとする。

第7章 議員の政治倫理

第19条 議員は、市民の負託にこたえるため、高い倫理観が求められていることを自覚し、市民の代表として良心と責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならない。

2 議員の政治倫理に関しては、別に条例で定めるところによる。

第8章 議会局の設置及び機能の強化

第20条 議会に関する事務を処理するため、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条第2項の規定に基づき、議会に事務局として議会局を置く。

2 議会局に事務局長としての局長及び書記その他必要な職員を置く。

3 職員の定数は、豊田市職員定数条例(昭和39年条例第11号)の定めるところによる。

4 局長は、議長の命を受け、議会局の事務を掌理し、所属職員を指揮監督する。

5 書記その他の職員は、上司の指揮を受け、事務に従事する。

6 議会は、議会の政策立案機能を充実させるとともに、円滑かつ効率的な議会運営を行うため、議会局の調査、政策法務等の機能を強化するものとする。

7 前各項に定めるもののほか、議会局に関し必要な事項は、議長が別に定める。

第9章 最高規範性

第21条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を解釈し、又は制定し、若しくは改廃する場合は、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合を図らなければならない。

第10章 補則

(条例の見直し)

第22条 議会は、この条例の施行後、常に市民の意思、社会情勢の変化等を勘案し、必要があると認めるときは、この条例の規定について検討を加え、その結果に基づき所要の措置を講ずるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成22年5月13日条例第41号)

この条例は、平成22年10月1日から施行する。

(平成25年3月1日条例第3号抄)

(施行期日)

1 この条例は、平成25年3月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

(令和4年12月22日条例第58号)

(施行期日)

1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

(豊田市議会事務局条例の廃止)

2 豊田市議会事務局条例(昭和42年条例第36号)は、廃止する。

豊田市議会基本条例

平成21年5月18日 条例第36号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第2編 議会・選挙・監査/第1章
沿革情報
平成21年5月18日 条例第36号
平成22年5月13日 条例第41号
平成25年3月1日 条例第3号
令和4年12月22日 条例第58号