○豊田市開発事業に係る手続等に関する条例
平成29年3月22日
条例第2号
目次
第1章 総則(第1条~第8条)
第2章 開発事業に係る手続等
第1節 開発事業の着手制限(第9条)
第2節 開発事業の事前手続及び承認(第10条~第16条)
第3節 開発事業の変更、廃止及び承継(第17条~第19条)
第4節 開発事業の承認の取消し(第20条)
第5節 開発事業の着手、休止、再開及び完了(第21条~第24条)
第6節 開発事業の調整(第25条・第26条)
第3章 雑則(第27条~第32条)
第4章 罰則(第33条・第34条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、周辺環境に影響を及ぼすおそれのある開発事業に関し、市、開発事業者等及び市民の責務を明らかにするとともに、開発事業者が行うべき住民への周知手続、講ずべき措置その他必要な事項を定めることにより、適切な開発事業の確保を図り、もって良好な住環境の保全及び安全で快適なまちづくりの実現に寄与することを目的とする。
(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(2) 開発事業 第6条各号に規定する行為をいう。
(3) 土地の区画形質の変更 土地に係る区画、形状又は性質を変更する行為であって、規則で定めるものをいう。
(4) 開発事業者 開発事業を行おうとする者をいう。
(5) 工事施行者 開発事業に係る工事の施行者(請負契約によらず自ら工事を行う者並びに工事の請負人及び下請人を含む。)をいう。
(6) 開発事業区域 開発事業を行う区域をいう。
(7) 近隣住民 開発事業区域の境界線からの距離が10メートル以内の区域に居住する者及び当該区域に存する建築物の所有者又は占有者をいう。
(8) 周辺住民 開発事業区域の境界線からの距離が50メートル以内の区域に居住する者及び当該区域に存する土地の所有者であって、近隣住民以外のものをいう。
(9) 地縁団体等の代表者 開発事業区域の属する住民組織等の代表者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、良好な住環境の保全を図るため、開発事業に関する情報を収集するとともに、市民並びに国及び他の地方公共団体に対し情報の提供を行い、この条例の適正かつ円滑な運用が図られるよう努めなければならない。
(開発事業者等の責務)
第4条 開発事業者は、周辺環境と調和するよう、開発事業を計画しなければならない。
2 開発事業者、工事施行者及び開発事業区域に属する土地の所有者は、良好な近隣関係を形成できるよう配慮するとともに、開発事業により紛争が生じたときは、相手の立場を尊重し、誠実かつ積極的に解決するよう努めなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、良好な住環境の保全を目指す地域社会の一員として、この条例に定める手続の実施に協力しなければならない。
2 市民は、開発事業について開発事業者との間で紛争が生じたときは、相手の立場を尊重し、誠実かつ積極的に解決するよう努めなければならない。
(対象行為)
第6条 この条例は、次に掲げる行為を対象とする。
(2) 都市計画法第4条第11項に規定する第一種特定工作物の建設及び豊田市産業廃棄物の適正な処理の促進等に関する条例(平成18年条例第5号)第2条第8号に規定する廃棄物処理施設の設置(規則で定めるものを除く。)
(3) 市街化区域以外における土地の区画形質の変更であって、当該変更に係る区域の面積が1ヘクタールを超えるもの
(4) 都市計画法第29条第1項若しくは第2項、第42条第1項ただし書又は第43条第1項に規定する許可を必要とする開発行為(第1号に規定するものを除く。)であって、当該開発行為に係る区域の面積が500平方メートル以上のもの
(5) 建築物の高さが15メートルを超え、かつ、延べ面積が2,000平方メートル以上である建築物の建築
(6) 長屋又は共同住宅であって、戸数が25戸以上であるものの建築
(7) 病院、百貨店、ホテルその他不特定かつ多数の者を収容することを目的とする建築物として規則で定めるものの建築
(8) 土地の区画形質の変更であって、当該変更に係る区域の面積が1,000平方メートル以上のもの(第3号に規定するものを除く。)
(1) 前条第4号に規定する行為のうち、自己の居住の用に供する建築物を建築するもの
(2) 都市計画法第8条第1項第1号に規定する工業専用地域内において行われる開発行為
(3) 国又は地方公共団体その他の公共団体が開発事業者である開発行為
(4) 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条第1項に規定する土地区画整理事業の施行として行う行為
(5) 工場立地法(昭和34年法律第24号)第3条第1項に規定する工場立地調査簿に記載された工場適地又は農村地域工業等導入促進法(昭和46年法律第112号)第5条第3項第1号に規定する工業等導入地区内において工業用地を造成する行為
(6) 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号に規定する農用地区域内において農業用地を整備する行為
(7) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条第1項に規定する地域森林計画の対象とする森林の区域内において森林の施業又は整備として行う行為
(8) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第3号に規定する国定公園又は愛知県立自然公園条例(昭和43年愛知県条例第7号)第2条第1号に規定する愛知県立自然公園の区域内において公園事業の執行として行う行為
(一の開発事業として扱うもの)
第8条 隣接する2以上の区域において行われる開発事業が、一体性を有するものとして規則で定めるものに該当すると認められる場合は、これらを一の開発事業とみなし、この条例の規定を適用する。ただし、市長が一の開発事業とみなすことが適当でないと認める場合は、この限りでない。
第2章 開発事業に係る手続等
第1節 開発事業の着手制限
第9条 開発事業者及び工事施行者(以下「開発事業者等」という。)は、第15条第1項の承認を受けた後でなければ、開発事業に着手することができない。
第2節 開発事業の事前手続及び承認
(標識の設置)
第11条 開発事業者は、開発事業の概要の周知を図るため、第14条第1項の規定による申出前に、規則で定めるところにより、標識を設置し、及び当該開発事業が完了するまでの間掲出しなければならない。
2 開発事業者は、前項の規定による説明後速やかに、その内容を市長に報告しなければならない。
4 開発事業者は、前項の規定により説明会の開催を求められたときは、遅滞なく説明会を開催し、その後速やかに、当該説明会の議事録を市長に提出しなければならない。
2 市長は、前項の規定による要望書の提出があったときは、速やかに、開発事業者に当該要望書を送付するものとする。
3 開発事業者は、前項の規定による送付を受けたときは、送付を受けた日の翌日から起算して14日以内(やむを得ない理由があると市長が認めた場合にあっては、市長が承諾した期日まで)に、当該要望書に対する回答を記載した書面(以下「回答書」という。)を市長に提出しなければならない。
4 市長は、前項の規定による回答書の提出があったときは、要望書を提出した関係者に対し、当該回答書を速やかに送付するものとする。
5 開発事業者は、第3項の回答に当たっては、関係者の要望に配慮するよう努めなければならない。
(1) 要望書が提出された場合 回答書を市長に提出した日
(2) 要望書が提出されなかった場合 第1項に規定する期間の満了日
(1) 第20条第2号の規定により承認を取り消されたことがあるとき。
(2) 第29条の規定による命令を受けたことがあるとき。
(3) 第33条の規定により罰金以上の刑に処せられたことがあるとき。
2 市長は、前項の規定による申出があったときは、市関係部局の職員で構成する協議会(以下「協議会」という。)を開催しなければならない。
3 開発事業者は、協議会において、当該開発事業の概要を説明しなければならない。
4 市長は、協議会を開催した後、必要に応じ、指導事項を記載した書面(以下「指導書」という。)を開発事業者に交付するものとする。
5 開発事業者は、前項の規定による指導書の交付を受けたときは、指導事項に対する回答を記載した書面を速やかに市長に提出しなければならない。
6 市長は、第1項の協議が終了したときは、開発事業者に協議の結果を通知するものとする。
(1) 第20条第2号の規定により承認を取り消され、その取消しの日から2年を経過していないとき。
(2) 第29条の規定による命令を受け、当該命令に係る是正措置が完了していないとき。
(3) 第33条の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していないとき。
(開発事業の承認)
第15条 開発事業者は、開発事業を行おうとするときは、市長に申請し、その承認を受けなければならない。
3 市長は、第1項の規定による申請を受けたときは、速やかにその内容を審査し、次に掲げる基準に適合すると認める場合に限り、当該開発事業を承認するものとする。
(2) 規則で定める基準に従い、次に掲げる措置が講じられていること。
ア 作業関係者以外の者による開発事業区域内への侵入防止措置
イ 開発事業区域内の排水に係る汚濁防止措置及び流出抑制措置
ウ 工事車両の交通安全対策及び周辺環境に対する騒音、振動等に係る対策
エ 開発事業区域内の安全対策及び周辺環境に対する騒音、通風、日照等に係る対策
(3) 工事施行者が前条第7項各号のいずれにも該当しないこと。
(承認内容の閲覧)
第16条 市長は、前条第1項の承認をした開発事業について、規則で定めるところにより、その概要を市民の閲覧に供するものとする。
第3節 開発事業の変更、廃止及び承継
(開発事業の変更)
第17条 開発事業者は、第15条第1項の承認を受けた開発事業の内容を変更しようとするときは、あらかじめ市長に申請し、その承認を受けなければならない。
5 市長は、第1項の規定による申請を受けたときは、変更後の開発事業の内容が次に掲げる基準に適合すると認める場合に限り、承認するものとする。
(1) 前2項の手続が完了していること。
(2) 第15条第3項第2号に規定する措置が講じられていること。
(開発事業の廃止)
第18条 開発事業者は、第15条第1項の承認を受けた後に開発事業を廃止したときは、遅滞なくその旨を書面により市長に届け出るとともに、近隣住民等に周知しなければならない。
(開発事業の承継)
第19条 第15条第1項の承認を受けた者の相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた当該承認に基づく地位を承継することができる。この場合において、当該地位を承継した者は、遅滞なくその旨を書面により市長に届け出るとともに、近隣住民等に周知しなければならない。
第4節 開発事業の承認の取消し
(1) 当該開発事業に必要な法令に基づく許可等を受けられないとき又は取り消されたとき。
第5節 開発事業の着手、休止、再開及び完了
(休止及び再開の届出)
第22条 開発事業者は、開発事業を休止しようとするとき及び休止した開発事業を再開しようとするときは、規則で定めるところにより、市長にその旨を届け出なければならない。
(1) 第15条第1項の承認を受けた日から起算して2年を経過した後に、当該承認を受けた開発事業に着手しようとするとき。
(2) 第15条第1項の承認を受けた開発事業を休止し、休止した日から起算して2年を経過した後に再開しようとするとき。
第6節 開発事業の調整
(相談)
第25条 市長は、関係者、開発事業者等又は開発事業区域に属する土地の所有者(以下「当事者」という。)から開発事業に関する相談の申出があったときは、これに応ずるものとする。
(あっせん)
第26条 市長は、当事者から開発事業に関する紛争についてあっせんの申出があったときは、あっせんを行うことができる。
2 市長は、当事者があっせんの場に出席しない場合は、出席するよう勧告することができる。
3 市長は、あっせんに際して、当事者から意見を聴き、又は当事者に対し必要な説明を求めることができる。
4 市長は、当事者が前項の規定による求めに応じない場合は、当該求めに応じるよう勧告することができる。
5 市長は、あっせんによる解決の見込みがないと認めるときは、当該あっせんを打ち切ることができる。
6 あっせんの申出の期日その他あっせんに関し、必要な事項は、規則で定める。
第3章 雑則
(指導及び助言)
第27条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、開発事業者等に対し、指導及び助言を行うことができる。
(命令)
第29条 市長は、前条第1項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その者に対し、当該開発事業の中止又は原状の回復を命ずることができる。
2 市長は、前条第2項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、その者に対し、当該開発事業に係る工事の中止又は原状の回復を命ずることができる。
(公表等)
第30条 市長は、前条の規定による命令を受けた者が、正当な理由なく当該命令に従わないときは、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)、当該命令の内容並びに当該命令に対するその者の対応の内容を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、豊田市行政手続条例(平成9年条例第1号)第3章第3節に規定する弁明の機会の付与の例により、同項に規定する者に意見を述べる機会を与えなければならない。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
4 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、豊田市行政手続条例第3章第3節に規定する弁明の機会の付与の例により、同項に規定する者に意見を述べる機会を与えなければならない。
第4章 罰則
第33条 第29条第1項の規定による命令に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成29年10月1日(以下「施行日」という。)から施行する。
3 施行日前に市長に協議の申出がされた開発事業については、この条例の規定は、適用しない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
(1) 当該申出の日から起算して1年以内に、協議が完了していないとき。
(2) 当該開発事業を行うに当たって法令に基づく許可等を要するとされている場合で、協議の完了の日から起算して1年以内に当該許可等の申請がされていないとき。