○豊田市企業立地奨励条例

平成29年12月21日

条例第37号

(目的)

第1条 この条例は、本市における産業構造の多角化及び高度化の推進、企業の誘致の推進並びに雇用機会の創出及び拡大を図るため、本市の区域内において立地を行う者に対して奨励措置を講じ、もって本市の経済の振興及び市民生活の安定に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 事業所 企業がその事業の用に直接供する施設をいう。

(2) 立地 次に掲げる行為をいう。

 市内に事業所を有する者が現に行っている事業と異なる事業の事業所を市内に設置すること。

 市内に事業所を有する者が事業規模を拡大する目的で、既存の事業所の敷地内に若しくはこれに隣接して当該事業所を拡張し、又は現に行っている事業と同一の事業の事業所を市内に設置すること(次条第1号イの中小企業設備投資奨励金に係る場合は、既存の事業所内に新たに機械設備を設置することを含む。)

 市内に事業所を有しない者が市内に新たに事業所を設置すること。

(3) 事業者 立地を行う者をいう。

(4) 製造業 統計法(平成19年法律第53号)第2条第9項に規定する統計基準である日本標準産業分類(以下「標準産業分類」という。)に掲げる大分類E―製造業に属する事業をいう。

(5) 製品の製造に係るサービス業 標準産業分類に掲げる大分類L―学術研究、専門・技術サービス業に属する事業のうち、製品の製造に係る研究、開発、試験等を行う事業をいう。

(6) 製品の製造に係る情報通信業 標準産業分類に掲げる大分類G―情報通信業に属する事業のうち、製品の製造に係る研究、開発、試験等を行う事業をいう。

(7) 高度先端産業分野 産業構造の高度化を図るために注力すべき分野として規則で定める分野をいう。

(8) 投下固定資産総額 事業者が立地に要した費用のうち規則で定める土地、家屋及び償却資産の取得価額の合計額をいう。

(9) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者をいう。

(10) 新規雇用従業員 事業者が立地に伴い新たに期間の定めのない雇用契約を締結して雇用する従業員(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第2条に規定する通常の労働者の1週間の所定労働時間の9割未満である労働者を除く。次号において同じ。)のうち、市内に住所を有し、規則で定める期間継続して当該立地に係る事業所において雇用した者をいう。

(11) 新規転入従業員 事業者が期間の定めのない雇用契約を締結して雇用する従業員のうち、立地に伴い他の事業所から当該立地に係る事業所に転勤させ、かつ、新たに市内に住所を有することとなった者であって、規則で定める期間継続して当該立地に係る事業所において雇用したものをいう。

(12) 産業誘導地区 豊田市まちづくり基本条例(平成17年条例第92号)第23条第1項に規定する総合計画の土地利用構想により産業技術高度化地区及び産業誘導拠点に位置付けられている地区をいう。

(13) 重点産業分野 産業構造の多角化を図るために注力すべき分野として規則で定める分野をいう。

(14) 特定地域 人口が少なく、又は減少していると認められる地域として規則で定める地域をいう。

(奨励措置)

第3条 市長は、第1条の目的を達成するために、次に掲げる奨励措置を行うことができる。

(1) 次に掲げる奨励金の交付

 企業立地奨励金

 中小企業設備投資奨励金

 市民雇用奨励金

 新エネルギー設備設置奨励金

 緑地整備奨励金

(2) 次に掲げる便宜の供与

 立地に伴う行政庁の許可又は認可に係る手続への協力

 立地を行うために必要な用地の確保への協力

 及びに掲げるもののほか、立地に係る必要な協力

(奨励金の額等)

第4条 前条第1号ア及びの奨励金の額及び限度額については別表第1に、同号ウからまでの奨励金の額及び限度額については別表第2に定める額とする。

(対象事業者)

第5条 第3条第1号アからまでの奨励金(以下「奨励金」という。)の交付の対象となる事業者は、次の各号に掲げる奨励金の区分に応じ、当該各号に定める要件を満たす者とする。

(1) 企業立地奨励金 次に掲げる要件を全て満たすこと。

 立地に係る事業所が、製造業、製品の製造に係るサービス業、製品の製造に係る情報通信業若しくは高度先端産業分野に属する事業(高度かつ先端的な技術を利用する製品の製造(製造のための電子計算機に係るプログラムの作成を含む。)又は研究を行う事業に限る。以下同じ。)又は製造業に属する事業に類する事業で規則で定めるものの用に供されるものであること。

 立地に係る事業所の用途が工場、研究施設その他の規則で定めるものであること。

 投下固定資産総額が5億円を超えない範囲内において規則で定める額以上であること。

 立地に係る事業所が公の秩序又は善良の風俗に反するおそれのある事業に供されるものでないこと。

 事業者が市税を滞納していないこと。

 事業者が有する既存の事業所(当該事業者が過去に市から立地に係る奨励金その他これらに類するものの交付を受けて行った当該立地に係る事業所に限る。以下同じ。)の敷地内において立地を行う場合は、当該既存の事業所が規則で定める日前に操業を開始していること。

 事業者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)若しくは同条第2号に規定する暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者(以下これらを「暴力団関係者」という。)又は役員に暴力団関係者がいる法人その他の団体でないこと。

(2) 中小企業設備投資奨励金 次に掲げる要件を全て満たすこと。

 事業者が中小企業者であること。

 立地に係る事業所が、製造業、製品の製造に係るサービス業、製品の製造に係る情報通信業若しくは高度先端産業分野に属する事業又は製造業に属する事業に類する事業で規則で定めるものの用に供されるものであること。

 立地に係る事業所の用途が工場、研究施設その他の規則で定めるものであること。

 投下固定資産総額が1,000万円を超えない範囲内において規則で定める額以上であること。

 立地に係る事業所が公の秩序又は善良の風俗に反するおそれのある事業に供されるものでないこと。

 事業者が市税を滞納していないこと。

 事業者が有する既存の事業所の敷地内において立地を行う場合は、当該既存の事業所が規則で定める日前に操業を開始していること。

 事業者が暴力団員若しくは暴力団関係者又は役員に暴力団関係者がいる法人その他の団体でないこと。

(3) 市民雇用奨励金 次に掲げる要件を全て満たすこと。

 第1号又は前号に定める要件を満たすこと。

 新規雇用従業員及び新規転入従業員の数の合計が、規則で定める人数以上であること。

(4) 新エネルギー設備設置奨励金及び緑地整備奨励金 第1号又は第2号に定める要件を満たすこと。

2 第3条第2号の便宜の供与の対象となる事業者は、次に掲げる要件の全てを満たす者とする。

(1) 産業誘導地区において立地を行うものであること。

(2) 立地に係る事業所が重点産業分野又は高度先端産業分野に属する事業の用に供されるものであること。

(3) 立地に係る事業所の敷地が1万平方メートル以上の一団の土地であること。

(4) 立地に係る事業所が公の秩序又は善良の風俗に反するおそれのある事業に供されるものでないこと。

(5) 事業者が市税を滞納していないこと。

(6) 事業者が暴力団員若しくは暴力団関係者又は役員に暴力団関係者がいる法人その他の団体でないこと。

(7) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める要件に適合していること。

(指定の申請等)

第6条 第3条の奨励措置を受けようとする事業者は、立地に係る工事等に着手する日前の規則で定める日までに、規則で定めるところにより市長に申請し、その指定を受けなければならない。ただし、市長においてやむを得ない事情があると認めるときは、同日後に市長に申請し、その指定を受けることができる。

2 市長は、前項の規定による申請があったときは、これを審査し、及び必要な調査を行い、この条例の目的に適合していると認めるときは、同項の指定(附則第2項を除き、以下「指定」という。)をするものとする。

3 市長は、指定をしようとするときは、必要に応じて豊田市企業立地審査会の意見を聴くものとする。ただし、第3条第1号イの奨励金に係る指定をしようとする場合で、投下固定資産総額に含まれる償却資産の取得価額が規則で定める額以下であるときは、この限りでない。

4 市長は、指定をするときは、周辺の生活環境への適正な配慮をすべきことその他の必要な条件を付することができる。

(奨励金の交付)

第7条 市長は、奨励金の交付に係る指定を受けた事業者(以下「奨励金交付事業者」という。)に対し、予算の範囲内で奨励金を交付することができる。ただし、同一の立地について、第3条第1号ア及びの奨励金は重複して交付しない。

2 前項の場合において、市長は、交付する第3条第1号ア又はの奨励金の額が規則で定める額を超えるときは、5年を限度に分割して交付することができる。奨励金交付事業者から分割による交付の申出があったときも、同様とする。

(端数計算)

第8条 奨励金を交付する場合に、1,000円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。

(奨励金の交付申請等)

第9条 奨励金交付事業者が奨励金の交付を受けようとするときは、操業開始日以後において、規則で定めるところにより市長に申請し、奨励金の交付の決定を受けなければならない。

2 市長は、前項の規定による申請があったときは、これを審査し、及び必要な調査を行い、この条例の目的に適合していると認めるときは、同項の決定をするものとする。

3 市長は、第1項の決定をするときは、交付の方法その他の必要な条件を付することができる。

(便宜の供与)

第10条 市長は、第3条第2号の便宜の供与に係る指定を受けた事業者(以下「便宜供与事業者」という。)に対し、同号アからまでに掲げる便宜の供与(以下「便宜の供与」という。)を行うことができる。

(便宜の供与の時期)

第11条 便宜供与事業者が便宜の供与を受けることができる時期は、指定を受けた日から立地に係る工事等に着手するまでの間とする。

(届出)

第12条 奨励金交付事業者は、次の各号のいずれかに該当したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。ただし、市長が特に必要がないと認めるときは、この限りでない。

(1) 立地に係る計画を変更したとき。

(2) 立地に係る工事等に着手したとき。

(3) 立地に係る事業所が操業を開始したとき。

(4) 操業開始日以後5年以内に、立地に係る事業所の全部若しくは一部の操業を休止し、又は当該事業所の全部若しくは一部を廃止したとき。

2 便宜供与事業者は、立地に係る計画を変更したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

(指定の取消し等)

第13条 市長は、奨励金交付事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定若しくは奨励金の交付の決定を取り消し、奨励金の交付を停止し、又は既に交付した奨励金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 第5条第1項各号に掲げる奨励金の区分に応じ、当該各号に規定する要件を欠くこととなったとき。

(2) 指定を受けた日から5年以内に操業を開始しないとき。

(3) 第6条第4項又は第9条第3項の規定により付された条件に違反したとき。

(4) 操業開始日以後5年以内に立地に係る事業所の全部若しくは一部の操業を休止し、又は当該事業所の全部若しくは一部を廃止していると認められるとき。

(5) 市税を滞納したとき。

(6) 偽りその他不正な行為により、指定又は奨励金の交付を受け、又は受けようとしたとき。

(7) この条例又はこの条例の規定に基づく規則に違反したとき。

(8) 重大な法令違反又は社会的な信用を著しく損なう行為を行ったと認められるとき。

(9) 前各号に掲げるもののほか、市長が奨励金を交付することが著しく不適当であると認めるとき。

2 市長は、便宜供与事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消すことができる。

(1) 第5条第2項各号に規定する要件を欠くこととなったとき。

(2) 第6条第4項の規定により付された条件に違反したとき。

(3) 市税を滞納したとき。

(4) 偽りその他不正な行為により、指定を受けたとき。

(5) この条例又はこの条例の規定に基づく規則に違反したとき。

(6) 重大な法令違反又は社会的な信用を著しく損なう行為を行ったと認められるとき。

(7) 前各号に掲げるもののほか、市長が便宜の供与を行うことが著しく不適当であると認めるとき。

(豊田市企業立地審査会)

第14条 第6条第3項の規定による諮問に応じ奨励金交付事業者及び便宜供与事業者(以下「奨励事業者」という。)の指定について審査するため、豊田市企業立地審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は、前項の規定による審査のほか、この条例の運用について市長の諮問に応じ審議し、又は市長に意見を述べることができる。

3 審査会は、委員5人以内をもって組織する。

4 委員は、産業の振興に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

5 委員の任期は、4年以内とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 委員は、再任されることができる。

7 委員は、第5項の任期が満了したときは、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

8 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

9 第3項から前項までに定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(権利の譲渡等の禁止)

第15条 奨励金の交付及び便宜の供与を受ける権利は、これを譲渡し、又は担保に供してはならない。

(奨励事業者の地位の承継)

第16条 奨励事業者に相続、譲渡、合併等により変更が生じたときは、当該事業が継続される場合に限り、当該事業の承継人は、市長の承認を受け、当該奨励事業者の地位を承継することができる。

(報告の聴取等)

第17条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、第6条第1項の事業者又は奨励事業者(以下この項において「奨励事業者等」という。)に対し、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員に奨励事業者等の事業所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の要求があるときは、これを提示しなければならない。

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に失効前の豊田市企業誘致推進条例(平成21年条例第59号)第6条第1項の規定により指定を受けている奨励事業者が行う当該指定に係る新設又は増設については、この条例の規定は、適用しない。

(この条例の失効)

3 この条例は、平成37年3月31日限り、その効力を失う。ただし、同条例の失効前に指定を受けた奨励事業者に対する当該指定に係る奨励措置については、なお従前の例による。

別表第1(第4条関係)

区分

奨励金の額

奨励金の限度額

右欄に掲げる場合以外の場合

立地に係る事業所が重点産業分野に属する事業の用に供されるものである場合

企業立地奨励金

(1) 立地を行う場所が産業誘導地区又は特定地域の場合

投下固定資産総額の10億円以下の部分の額に100分の10を乗じて得た額及び10億円を超える部分の額に100分の5を乗じて得た額の合計額

投下固定資産総額の10億円以下の部分の額に100分の20を乗じて得た額及び10億円を超える部分の額に100分の10を乗じて得た額の合計額

5億円(事業所の用に供されていない土地において立地を行う場合は、10億円)

(2) 前号に掲げる場合以外の場合

投下固定資産総額の10億円以下の部分の額に100分の5を乗じて得た額及び10億円を超える部分の額に100分の2.5を乗じて得た額の合計額

投下固定資産総額の10億円以下の部分の額に100分の10を乗じて得た額及び10億円を超える部分の額に100分の5を乗じて得た額の合計額

5億円

中小企業設備投資奨励金

投下固定資産総額に含まれる償却資産の取得価額に100分の5を乗じて得た額

投下固定資産総額に含まれる償却資産の取得価額に100分の10を乗じて得た額

5億円

別表第2(第4条関係)

区分

奨励金の額

奨励金の限度額

市民雇用奨励金

新規雇用従業員及び新規転入従業員の数の合計に25万円を乗じて得た額

1,000万円

新エネルギー設備設置奨励金

立地に係る事業所において新エネルギー利用等(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(平成9年法律第37号)第2条に規定する新エネルギー利用等をいう。)を行うための設備で当該立地に係る事業の用に直接供するものの設置に要した費用の額の3分の1に相当する額

1,000万円

緑地整備奨励金

立地に係る緑地(工場立地法(昭和34年法律第24号)第4条第1項第1号に規定する緑地をいう。)の整備に要した費用の額に、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める緑地の面積を当該立地に係る緑地の面積で除して得た数を乗じて得た額(当該額が2万円に当該各号に定める緑地の面積の平方メートルで表した数値を乗じて得た額を超えるときは、当該2万円に当該各号に定める緑地の面積の平方メートルで表した数値を乗じて得た額)の2分の1に相当する額

(1) 立地に係る事業所の敷地内に当該立地に係る緑地以外の緑地がある場合 当該立地に係る事業所の敷地内の緑地(当該立地に係る緑地を含む。)の面積から規則で定める面積を減じて得た面積(当該面積が当該立地に係る緑地の面積を超えるときは、当該立地に係る緑地の面積)

(2) 前号に掲げる場合以外の場合 当該立地に係る緑地の面積から規則で定める面積を減じて得た面積

1,000万円

豊田市企業立地奨励条例

平成29年12月21日 条例第37号

(平成30年4月1日施行)