○豊田市自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

令和2年3月26日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、自転車の安全で適正な利用の促進に関し、基本理念を定め、市等の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、自転車の安全で適正な利用に関する普及啓発を図るための施策を推進し、もって自転車利用者の交通安全の確保及び交通安全意識の向上並びに自転車事故による被害者の保護を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 自転車 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する自転車をいう。

(2) 市民等 市内に居住し、若しくは滞在し、又は市内を通過する者をいう。

(3) 自転車利用者 自転車を利用する者をいう。

(4) 事業者 市内で事業を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人をいう。

(5) 自転車小売業者 事業者のうち、自転車の小売を業とする者をいう。

(6) 自転車貸出業者 事業者のうち、自転車の貸出しを業とする者をいう。

(7) 学校 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校のうち、市内に存する小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び高等専門学校をいう。

(8) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他の者で、未成年者を現に監護するものをいう。

(9) 自転車損害賠償保険等 自転車の利用に係る交通事故により生じた他人の生命又は身体の被害に係る損害を塡補することを約する保険又は共済をいう。

(基本理念)

第3条 自転車の安全で適正な利用の促進は、市民等が道路交通法その他の法令(以下「法令等」という。)を遵守するとともに、自転車の安全で適正な利用に関する理解を深めることができるよう普及啓発を図り、市民が安心して暮らせるまちの実現を目指すことを旨として、行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、市民等、関係機関及び関係団体と連携を図りながら、自転車の安全で適正な利用の促進に関する施策を実施するものとする。

2 市は、市民等に対し、法令等の遵守を図るとともに、自転車の安全で適正な利用を促進するための交通安全教育及び啓発活動を実施するものとする。

3 市は、自転車の安全で適正な利用の促進に関する活動を行う者に対し、当該活動を支援するための情報の提供その他必要な措置を講ずるものとする。

(市民等の責務)

第5条 市民等は、法令等を遵守するとともに、自転車の安全で適正な利用に関する理解を深めるための取組を自主的かつ積極的に行うよう努めなければならない。

(自転車利用者の責務)

第6条 自転車利用者は、自転車が車両(道路交通法第2条第1項第8号に規定する車両をいう。以下同じ。)であることを認識し、次に掲げる事項を遵守するとともに、自転車を安全かつ適正に利用しなければならない。

(1) 歩道を通行することが認められている場合は、歩行者の通行を優先し、歩行者の安全を確保すること。

(2) 酒気を帯びて運転しないこと。

(3) 夜間は、前照灯及び尾灯をつけて運転すること。ただし、尾灯にあっては、これに代わる反射器材を備えている場合は、この限りでない。

(4) 傘を差す等、運転時の視野又はハンドルの操作を妨げ、自転車の安定を害するような運転をしないこと。

(5) 携帯電話その他の携帯端末を手で保持して通話のために使用し、又は画像表示装置に表示された画像を注視しながら運転しないこと。

(6) イヤホン(補聴器を除く。)又はヘッドホンを使用して音楽等を聴く等、安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で運転しないこと。

(7) 前各号に掲げるもののほか、法令等を遵守すること。

2 前項に定めるもののほか、自転車利用者は、次に掲げる事項を実施するよう努めなければならない。

(1) 自転車の安全で適正な利用に必要となる技能及び知識を習得すること。

(2) 両側面に反射器材を備える等、安全性の向上が図られた自転車を利用すること。

(自動車等の運転者の責務)

第7条 自動車(道路交通法第2条第1項第9号に規定する自動車をいう。)及び原動機付自転車(同項第10号に規定する原動機付自転車をいう。)の運転者は、自転車が車両であることを認識し、その安全に配慮して通行するよう努めるとともに、自転車の側方を通過するときは、自転車との間に安全な間隔を保ちながら通過するよう努めなければならない。

(事業者の責務)

第8条 事業者は、その事業活動及び通勤のため自転車を利用する従業員に対し、自転車の安全で適正な利用に関する研修の実施、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(自転車小売業者の責務)

第9条 自転車小売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、自転車の安全で適正な利用に関する必要な情報を提供するよう努めなければならない。

2 自転車小売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、第6条の責務を周知するよう努めなければならない。

3 自転車小売業者は、自転車を購入しようとする者に対し、両側面に反射器材を備えた自転車を販売し、安全性の向上が図られた自転車の利用を促進するよう努めなければならない。

(自転車貸出業者の責務)

第10条 自転車貸出業者は、自転車の貸出しに当たっては、自転車を借り受けようとする者に対し、自転車の安全で適正な利用に関する必要な情報を提供するよう努めなければならない。

2 自転車貸出業者は、自転車の貸出しに当たっては、自転車を借り受けようとする者に対し、第6条の責務を周知するよう努めなければならない。

3 自転車貸出業者は、自転車を借り受けようとする者に対し、両側面に反射器材を備えた自転車を貸し出し、安全性の向上が図られた自転車の利用を促進するよう努めなければならない。

(学校の長の責務)

第11条 学校の長は、その学校に在籍する児童又は生徒に対し、その発達段階に応じた自転車の安全で適正な利用に関する教育及び指導を定期的に行うよう努めなければならない。

(保護者の責務)

第12条 保護者は、その監護する未成年者に対し、模範行動を示し、自転車の安全で適正な利用に関する教育及び指導を行うよう努めなければならない。

(乗車用ヘルメットの着用)

第13条 自転車利用者は、乗車用ヘルメットを着用するよう努めなければならない。

2 事業者は、その事業活動及び通勤のため自転車を利用する従業員に対し、乗車用ヘルメットの着用に関する指導を行うよう努めなければならない。

3 自転車小売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、乗車用ヘルメットの着用に関する必要な情報の提供及び助言を行うよう努めなければならない。

4 自転車貸出業者は、自転車の貸出しに当たっては、自転車を借り受けようとする者に対し、乗車用ヘルメットの着用に関する必要な情報の提供及び助言を行うとともに、乗車用ヘルメットを貸し出すよう努めなければならない。

5 学校の長は、その学校に在籍する児童又は生徒に対し、乗車用ヘルメットの着用に関する指導を行うよう努めなければならない。

6 保護者は、その監護する未成年者に対し、乗車用ヘルメットを着用させるよう努めなければならない。

(自転車の点検及び整備)

第14条 自転車利用者、事業者及び自転車貸出業者は、その利用する自転車を定期的に点検し、及び必要な整備を行うよう努めなければならない。

2 自転車小売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、自転車の定期的な点検及び整備に関する必要な情報の提供及び助言を行うよう努めなければならない。

3 保護者は、その監護する未成年者が利用する自転車を定期的に点検し、及び必要な整備を行うよう努めなければならない。

(自転車損害賠償保険等の加入)

第15条 自転車利用者は、自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該自転車利用者以外の者が当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入している場合は、この限りでない。

2 事業者は、その事業活動のため従業員に自転車を利用させるときは、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当該事業者以外の者が当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入している場合は、この限りでない。

3 事業者は、通勤のため自転車を利用する従業員に対し、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等の加入を勧奨するよう努めなければならない。

4 自転車小売業者は、自転車の販売に当たっては、自転車を購入しようとする者に対し、自転車損害賠償保険等の加入の有無を確認するよう努めなければならない。

5 自転車小売業者は、前項の規定による確認により自転車損害賠償保険等に加入していることを認めることができないときは、自転車を購入しようとする者に対し、自転車損害賠償保険等の加入に関する情報の提供及び助言を行うよう努めなければならない。

6 自転車貸出業者は、自転車の貸出しに当たっては、自転車を借り受けようとする者に対し、自転車損害賠償保険等を付した自転車を貸し出さなければならない。ただし、当該自転車貸出業者以外の者が当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入している場合は、この限りでない。

7 学校の長は、その学校に在籍する児童又は生徒の保護者に対し、当該児童又は生徒の自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等の加入の有無を確認するよう努めなければならない。

8 学校の長は、その学校に在籍する児童又は生徒の保護者に対し、自転車損害賠償保険等の加入を勧奨するよう努めなければならない。

9 保護者は、その監護する未成年者が自転車を利用するときは、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。

(自転車安全利用推進強化地区の指定)

第16条 市長は、自転車の安全で適正な利用に関する普及啓発を図るため、特に重点的に取り組む必要があると認めるときは、自転車安全利用推進強化地区(以下「推進強化地区」という。)を指定することができる。

2 推進強化地区は、中学校区を単位として指定するものとする。

3 市長は、推進強化地区を指定するときは、当該地区における自転車事故の発生状況等を総合的に勘案して指定するものとする。

4 市長は、推進強化地区を指定するときは、あらかじめ、当該地区に存する自治区のほか、当該地区に関係する市民等、関係機関及び関係団体と協議するものとする。

(推進強化地区における取組)

第17条 市は、推進強化地区においては、警察署その他関係機関及び当該地区に存する関係団体と連携を図りながら、街頭活動を始めとした啓発活動等の実施のほか、自転車事故の削減に資する措置を講ずるものとする。

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和2年4月1日から施行する。ただし、第15条の規定は、同年10月1日から施行する。

(令和3年6月30日条例第28号)

この条例は、令和3年10月1日から施行する。

豊田市自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例

令和2年3月26日 条例第1号

(令和3年10月1日施行)